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お知らせ・コラム

会社と役員との取引 NA通信2015.8月号

会社と役員との取引

同族会社の多くは、株主と経営者が同一であり、会社の取引と個人の取引とを混同しやすい傾向があります。

同族会社の取引が、租税回避行為(通常ではありえない異常な取引をし、税金を安くする行為)と判断されると、予想外の税金が発生するだけでなく、加算税・延滞税が課されるので、十分注意が必要です。

同族会社とは

同族会社とは、株主等の3人以下及びこれらの同族関係者※1が保有する株式又は出資の合計額が、発行済株式総数又は出資金額の50%以上である会社のことです。

※1 親族、家事使用人、生計を一にする者等及びこれらの者が、発行済株式総数の50%以上を保有する法人等

同族会社の行為計算の否認

同族会社においては、税負担を不当に減少させる目的で、非同族会社では通常行わないような取引をすると、法人税計算上経費にならず、会社にとって不利益を被ります。

役員などに社宅を貸したとき

会社が役員などに対して社宅を貸す場合は、役員などから、1か月当たり一定額以上の家賃(以下「家賃相当額」といいます)を受取っていれば、給与として課税されません。 家賃相当額は、社宅の床面積などにより「A.小規模な住宅」と「B.普通社宅」と「C.豪華社宅」とに分け、それぞれ次のように計算します。

A 小規模な住宅

小規模な住宅とは、建物の耐用年数が30年以内なら床面積が132㎡以下である住宅、建物の耐用年数が30年を超える場合は床面積が99㎡以下である住宅をいいます。※2

※2区分所有の建物は共用部分の床面積を按分し、専用部分の床面積に加えたところで判定します。

①、②、③を合算した金額が家賃相当額となる

B 普通社宅

役員などに貸す社宅が「A 小規模な住宅」及び下記「C 豪華社宅」に該当しない場合には、その社宅が自社所有の社宅か、他から借りた住宅等を役員などへ貸しているのかで、家賃相当額の算出方法が異なります。

・B-1 自社所有の社宅の場合

・B-2 他から借りた住宅等を社宅として貸す場合
会社が家主に支払う家賃の50%の金額と、上記B-1で算出した家賃相当額とのいずれか多い金額が家賃相当額となります。

C 豪華社宅

豪華社宅であるかどうかは、床面積が240㎡を超える社宅のうち、取得価額、支払賃貸料の額、内外装の状況等の各種の要素を総合勘案して判定します。家賃相当額は時価(実勢価額)となります。

なお、床面積が240㎡以下のものでも、原則として、プール等や役員個人のし好を著しく反映した設備等を有するものは、豪華社宅に該当します。

※以下のような場合は、役員などの給与として所得税が課税されてしまいますので、注意して下さい。

(1) 役員などに無償で社宅を貸している場合には、家賃相当額が、給与として課税されます。
(2) 役員などから家賃相当額より低い社宅家賃を受取っている場合には、家賃相当額と受取っている家賃との差額が給与として課税されます。
(3) 現金で支給される住宅手当や、入居者(役員など)が直接契約している場合に家賃を会社が負担しているときは、社宅を貸しているとは認められないので、住宅手当や、会社の家賃負担額が 給与として課税されます。


生命保険の税務

所得税が非課税となる入院給付金など、一定の「給付金」を除いて、保険金を受け取った場合には原則として所得税、贈与税、相続税のいずれかが課税されます。どの税金の対象になるかは、保険金の種類(死亡保険金や満期保険金等)や契約形態(契約者、被保険者、受取人の関係)によって異なります。

死亡保険金にかかる税金

契約形態契約者被保険者死亡保険金受取人税金の種類と納税義務者
契約者と被保険者が
同一人の場合(夫Aが死亡)
夫A夫A妻B(相続人)妻B(相続人)に相続税
契約者と受取人が
同一人の場合(妻Bが死亡)
夫A妻B夫A夫Aに所得税(一時所得)
契約者、被保険者、受取人が
それぞれ異なる場合(妻Bが死亡)
夫A妻B子C子Cに贈与税

※所得税の課税対象になるときは、住民税の課税対象にもなります(以下同様)。

相続税が課税される場合

死亡保険金は「残された家族の生活保障」という意味合いがある為、一定の死亡保険金が非課税とされています。相続人が保険金を受け取る場合に限り「500万円×法定相続人の人数」が非課税金額になります。

相続人以外の者が受取人である場合は、遺贈により取得したものとみなされ、非課税とはなりません。

例:死亡保険金5,000万円  相続人3人の場合
課税価格5,000万円-(500万円×3人=1,500万円)=3,500万円

※現在加入している生命保険の契約が非課税枠内であった場合は非課税限度までの加入をご検討下さい。

満期保険金にかかる税金

契約形態契約者被保険者死亡保険金受取人税金の種類と納税義務者
契約者と被保険者が同一人の場合(夫Aが死亡)夫A夫A妻B(相続人)妻B(相続人)に相続税
契約者と受取人が同一人の場合(妻Bが死亡)夫A妻B夫A夫Aに所得税(一時所得)
契約者、被保険者、受取人がそれぞれ異なる場合(妻Bが死亡)夫A妻B子C子Cに贈与税

※所得税の課税対象になるときは、住民税の課税対象にもなります(以下同様)。

相続税が課税される場合

死亡保険金は「残された家族の生活保障」という意味合いがある為、一定の死亡保険金が非課税とされています。相続人が保険金を受け取る場合に限り「500万円×法定相続人の人数」が非課税金額になります。

相続人以外の者が受取人である場合は、遺贈により取得したものとみなされ、非課税とはなりません。

例 死亡保険金5,000万円  相続人3人の場合
課税価格5,000万円-(500万円×3人=1,500万円)=3,500万円

※現在加入している生命保険の契約が非課税枠内であった場合は非課税限度までの加入をご検討下さい。

満期保険金にかかる税金

契約形態契約者満期保険金受取人税金の種類
契約者と受取人が同一人の場合夫A夫A夫Aに所得税
契約者と受取人が異なる場合夫A妻B妻Bに贈与税
夫A子C子Cに贈与税

所得税、相続税、贈与税の3つの税金の中では一般的に贈与税が最も税負担が重いです。もし生命保険金に贈与税がかかる場合は受取人等の名義変更を検討して下さい。

生命保険を活用して生前贈与をする相続税対策例

子Cが保険契約者、支払者は夫Aとします。保険料を贈与するには、次の①、②の方法があります。

①夫Aの口座から保険料を引き落としする。
②子Cは夫Aから現金の贈与を受け、そのお金を保険料の支払いに充てる。

契約者 子C
被保険者 夫A
死亡保険金受取人 子C

この対策例では、被保険者である夫Aの死亡時に、子Cが死亡保険金を受け取ります。この受取った保険金は、相続税の支払いに充てることが出来ます。また、生前贈与をすることで夫Aの相続財産が減少する為、相続税の節税になります。
ただし、子Cに所得税(一時所得)がかかります※1。

※1 所得税の計算上、一時所得は、(受取保険金-払済保険料-50万円)×1/2で計算するので、給与所得等より有利です。

※2 親から子供へ渡す現金預金が、生前贈与と認定されるには、贈与契約書の作成が必要となります。詳しくは当法人担当者にお尋ね下さい。

今月の代表の一言

炎暑が続き秋が待ち遠しい毎日ですが、お元気にお過ごしでいらっしゃいますか。私事ですが、妻が臨月に入りまして、生まれてくる子の名前をどうしようかと日々頭を悩ませています。2014年は、男の子は「蓮」くん、女の子は「陽菜」ちゃんと「凛」ちゃんがトップだったようですが、私は子供に字画のいい名前を付けてあげたいと思っています。最近は、インターネットの姓名判断サイトを使うと、苗字を入力するだけで字画の良い名前を教えてくれます。便利な世の中ですね。ただ、字画のいい名前の候補が多すぎて、逆に迷ってしまいます(笑)次月号では、良い報告ができるよう、妻をサポートしていきたいと思っています。