法人向け会計ソフト徹底比較|大企業・中小企業別おすすめ一覧表
経理業務の効率化や法令対応が求められる中、会計ソフトの導入は法人経営に欠かせない選択肢となっています。しかし、市場には多くの会計ソフトが存在し、機能や価格、サポート体制もさまざまです。特に、大企業と中小企業では必要とする機能や重視すべきポイントに違いがあるため、「自社にはどれが合っているのか分からない」と悩む方も多いのではないでしょうか。
本記事では、法人規模に合わせておすすめの会計ソフトを紹介します。選び方のポイントもあわせて解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
・法人向け会計ソフトとは
・中小企業におすすめの会計ソフト5選
・大企業におすすめの会計ソフト4選
・法人向け会計ソフトの選び方
・まとめ
法人向け会計ソフトとは
会計ソフトとは、企業や個人事業主が日々の経理業務や決算処理をスムーズに行うためのツールです。
従来、帳簿付けや決算書類の作成は、手書きや表計算ソフトに頼るのが一般的でした。しかし、人の手による帳簿作成は時間がかかる上、入力ミスや集計の手間といった課題が常に付きまといます。会計ソフトを活用することで、ヒューマンエラーを防ぎながら、会計業務全体の精度とスピードを向上させることができます。
中小企業向け会計ソフトの特徴
中小企業にとって、会計ソフトは限られた人員で経理業務を進めるうえで欠かせない存在です。製品ごとに対応範囲は異なるため、複数の選択肢を比較し、自社に最も適したものを選ぶことが重要です。
なお、会計ソフトには「インストール型」と「クラウド型」があり、それぞれ導入方法やコスト面に違いがあります。インストール型は初期費用だけで導入できますが、保守・サポート費用や法改正対応費が別途かかる場合があります。また、更新やメンテナンスは自社対応が必要です。一方、クラウド型は月額課金制が一般的で、常に最新機能を利用できる反面、利用範囲に応じてコストが膨らみやすい特徴があります。導入後のランニングコストを含め、予算に見合うかどうかを慎重に検討しましょう。
なお、中小企業や小規模事業者であれば、IT導入補助金に対応した製品を選ぶことで費用負担を軽減できる可能性があります。補助制度をうまく利用することでコストを抑えながら、自社に最適な会計ソフトを導入できるでしょう。ただし、募集条件や申請枠は毎年見直されるため、申請の際は最新の公募要領をご確認ください。
名古屋総合税理士法人の補助金申請サポートでは、専門チームが申請から実績報告までをフルサポートし、お客様に最適な補助金をご提案します。会計ソフトの導入や補助金の活用をご検討中の方は、どうぞお気軽にご相談ください。
出典:IT導入補助金2025公式サイト(外部リンク)大企業向け会計ソフトの特徴
大企業や上場企業が会計ソフトを導入する際には、以下のポイントが重要です。
✓ 内部統制への対応
✓ 経営判断に役立つ分析機能
✓ 他システムとの連携性
✓ サポート体制 など
まず、上場企業にとって欠かせないのが金融商品取引法に基づく内部統制報告制度(J-SOX)です。承認フローの管理や不正防止の仕組み、操作履歴を残す監査証跡機能が備わっていれば、経理業務の透明性が高まり、リスク軽減や監査対応の効率化につながります。
加えて、経営層の迅速な意思決定を支えるには、財務状況をリアルタイムで把握できる機能が欠かせません。収益性や業務効率を即座に可視化できるソフトを導入すれば、市場の変化にスピーディに対応でき、データに基づく戦略的な判断を後押ししてくれるでしょう。
中小企業におすすめの会計ソフト5選
中小企業におすすめの会計ソフトは、下表のとおりです。

それぞれを詳しく見ていきましょう。
マネーフォワードクラウド会計
マネーフォワードクラウド会計は、中小企業や小規模事業者に幅広く利用されている会計ソフトです。銀行口座やクレジットカードなど2,300機関以上の金融機関と連携でき、取引明細の取得から仕訳までを自動化。AIによる勘定科目の提案機能により、専門知識がなくても仕訳や決算書作成をスムーズに行えます。
さらに、請求書発行や経費精算、給与計算、契約管理など、バックオフィス業務を支える12のサービスを基本料金内で利用できる点も大きな特長です。企業の成長段階に応じて必要な機能を組み合わせながら活用できるため、将来を見据えた経理体制の整備に適しています。
出典:マネーフォワードクラウド会計公式サイト(外部リンク)弥生会計
弥生会計は、初心者でもすぐに使いこなせる、直感的な操作性を備えたクラウド型会計ソフトです。スマートフォンからの入力にも対応しているため、オフィスにいなくても外出先から取引登録が可能。スマートフォンで撮影したデータを自動で取り込み・仕訳することで、帳簿作成や経理作業の手間を大幅に軽減します。
また、必要な帳票類や決算関連の書類も自動で作成されるため、入力漏れやミスのリスクを減らし、本来の業務に集中できます。
出典:弥生会計公式サイト(外部リンク)freee会計
freee会計は、個人事業主から中小企業まで、あらゆる規模のビジネスに対応したクラウド型会計ソフトです。単なるデータ取込機能にとどまらず、AIが取引内容をもとに勘定科目を自動で推測し、仕訳を提案。入力作業のミスを防ぎ、作業時間の短縮にも貢献します。
また、freeeは、経理・人事などの情報を一元化し、部門横断的な業務連携を可能にするクラウドERPとしても活用が可能です。業務の重複や入力の手間をなくし、シングルインプットで全社的な生産性向上を後押しします。
出典:freee会計公式サイト(外部リンク)勘定奉行
勘定奉行クラウドは、中堅・中小企業のニーズに幅広く応える、柔軟性と機能性を備えた会計ソフトです。クラウド特有の学習機能が業務内容を分析し、繰り返しの作業を効率よく処理してくれるため、経理業務にかかる時間と労力を大きく削減できます。
また、元帳や試算表の作成だけでなく、企業独自の切り口で数字を分析する「管理会計」にも対応しています。経営状況をリアルタイムで確認できるため、改善案の立案や経営判断を迅速に行えるでしょう。
出典:勘定奉行公式サイト(外部リンク)フリーウェイ経理Lite
フリーウェイ経理Liteは、無料プランと有料プランの2種類が用意されている会計ソフトです。コストをかけずに経理を始めたい中小企業や個人事業主でも、気軽に導入できる点が魅力です。
無料プランでは、記帳や帳簿作成といった基本的な機能を制限なく利用できます。ただし、自動仕訳などの便利な機能を使いたい場合は、有料プランへの切り替えが必要です。また、無料版単体では電子帳簿保存法要件への機能対応は限定的です。必要に応じて有償版や他サービスの併用を検討することをおすすめします。
出典:フリーウェイ経理Lite公式サイト(外部リンク)大企業におすすめの会計ソフト4選
大企業におすすめの会計ソフトは、下表のとおりです。

それぞれを詳しく見ていきましょう。
マネーフォワードクラウド会計Plus
マネーフォワードクラウド会計Plusは、自動化技術と内部統制への対応を両立した会計ソフトです。監査法人とのデータ共有機能により、証憑の確認や承認といった監査手続きをWeb上で完結できます。承認フローやログ管理といった内部統制機能も備えており、上場企業に求められる管理体制に対応できる設計が特徴です。
出典:マネーフォワードクラウド会計Plus公式サイト(外部リンク)OBIC7
OBIC7は、経営に不可欠な会計情報を一元管理し、業務の効率化と意思決定の迅速化を支援するERPソリューションです。業務プロセスの標準化と属人的な作業の排除により、継続性と透明性のある業務体制を構築。プロセスの可視化を通じて、内部統制の強化と業務改善を同時に実現します。
出典:OBIC7公式サイト(外部リンク)SuperStream
SuperStreamは、会計や人事給与など、バックオフィス業務全体の効率化と標準化を実現するERPソリューションです。財務会計はもちろん、配賦処理や予算管理といった管理会計業務まで幅広くカバーし、日々の会計処理を強力にサポート。帳票出力機能も充実しており、財務諸表や管理帳票などを柔軟に作成できます。
出典:SuperStream公式サイト(外部リンク)TKC FX4クラウド
FX4クラウドは、年商5億〜50億円規模の企業向け会計ソフトです。税理士との連携を前提に設計されているため、会計業務を丸ごと専門家に任せることも可能です。さらに、自社でも財務データを確認しながら活用すれば、経営の実態を正確に把握でき、より健全な管理体制を築けます。特に、企業規模が大きくなるほど会計や監査の要求水準は高まるため、税理士と一体となって運用できる会計ソフトの導入は大きな安心につながるでしょう。
なお、TKC FX4クラウドシリーズは一般販売されておらず、TKC全国会加盟の税理士や公認会計士を通じた提供専用サービスであり、直接契約はできません。導入をご検討の方はFX4クラウドサービス提供事務所である名古屋総合税理士法人へお気軽にご相談ください。
出典:TKC FX4クラウド公式サイト(外部リンク)法人向け会計ソフトの選び方
法人が会計ソフトを選ぶ際に重視すべきポイントは、以下の5つです。
● 使いやすさ
● 企業規模に合った機能
● コストパフォーマンス
● セキュリティ体制
● サポート体制
会計ソフトは業務効率化の要となるため、自社の規模や業務フローに合った製品を選ぶことが重要です。また、2023年10月1日から開始されたインボイス制度や、2024年1月1日以降、原則義務化された電子取引データの電子保存など、最新の法令への対応状況も確認しましょう。自社の成長段階や将来の拡張性も考慮し、最適なソフトを選ぶことで、経理業務の効率化と経営判断の質向上につながります。
名古屋総合税理士法人の経理代行サービスでは、お客様の業務フローや利用中の会計ソフトに合わせて、記帳から振込・入金確認、領収書の整理、売掛金・買掛金の管理まで、専門チームが正確かつスピーディに対応します。経理の負担を減らし、本来の事業に集中したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
会計ソフトは、経理業務を効率化し、正確な財務管理を実現するための重要なツールです。導入することで、手作業によるミスを減らし、業務のスピードと精度を向上させることができます。
ただし、自社に合わないソフトを選んでしまうと、かえって非効率になる恐れがあるため注意が必要です。事業規模や業種、業務フローを踏まえ、「料金」「機能」「セキュリティ」「拡張性」「サポート体制」などを総合的に評価しましょう。将来の事業展開も見据えた比較・検討により、経理業務の効率化だけでなく、組織全体の経営力強化にもつながります。