NA通信vol.83「こんなに変わる！？2020年年末調整変更点まとめ」
2020年分 年末調整変更点まとめ
2020年分の年末調整は大幅な税制改正を受けて今までと大きく変わります。主な変更点をご紹介します。
基礎控除が10万円増えます
今までは、基礎控除額が38万円でしたが、今年からは10万円増えて 48万円になります。ただし、今までのように全ての人が48万円 になるのではなく、所得に応じて基礎控除額が変更になります。 表のように、所得が2,400万円を超えると基礎控除額が減り、所得が2,500万円を超えると基礎控除額が0円になります。
給与所得控除の控除額が変わります
基礎控除は10万円増えましたが、給与所得控除は従来の65万 ～220万円から55万円～195万円と減額されました。給与収入 が850万円以下の人は基礎控除額の増額と合わせると改正前と 変化はありませんが、給与収入が850万円を超える方は、下記『3.子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除が新しく追加されました』 に該当する方を除き増税になります。
子ども・特別障がい者等を有する者等の所得金額調整控除が新しく追加されました
給与収入が850万円を超える人で、下の①〜③のいずれかに該当する場合は、給与所得控除を調整する「所得金額調整控除」が適用され、給与収入850万円を超えても実質的には増税されないことになります。
① 所得者本人または同一生計配偶者が特別障害者
② 扶養親族が特別障害者
③ 扶養親族が年齢23歳未満（1998年1月2日以後生）
このように、今年の年末調整は大きく変わります。年末調整に必要な書類等のご準備はお早めに。
ここまでは、サラリーマンや役員の方のことを中心に解説しましたが、不動産オーナー様や自営業者様、年金収入がメインの方はこの改正でどう変わるのでしょうか？
年金生活の方
公的年金等控除額も改正され、給与所得控除と同様に一律10万円引き下げられます。ただし、年金所得と給与所得の 両方ある方が、今回の改正で所得控除がそれぞれ10万円ずつ減ることで、税負担が増えてしまうことを避けるため、 これまでと税負担が変わらないように調整（所得金額調整控除）されます。これにより原則として、働く年金受給者の 増税は回避されます。なお、公的年金等以外の所得金額が1,000万円を超える高所得者は、公的年金等控除額が一般 の方に比べて10万円または20万円引き下げられるため、増税となります。加えて控除額の上限が設けられたため、 一定額以上の年金を受給されている方にとっては増税となります。
自営業者・不動産オーナー
●白色申告で確定申告をしている方
前述の基礎控除額が38万円→48万円になったことで減税となります。
●青色申告で確定申告をしている方
青色申告特別控除が10万円の方は10万円のまま変更はありませんので 基礎控除額が48万円に増えたことで減税になります。 青色申告特別控除が65万円の方は今回の改正で控除額が65万円から55万円に引き下げられました。しかし、前述の基礎控除が38万円→48万円になったため、税金の増減はありません。また、今回の改正により確定申告書を電子申告した場合は、青色申告特別控除額の減額はなく、控除額は65万円の まま、つまり減税となります。これまで郵送で確定申告を提出していた方は、この機会に名古屋総合税理士法人に ご依頼いただき、電子申告での提出に変更することで節税することをおススメします。
※ただし、合計所得が2,400万円を超える場合は基礎控除額が減るため増税になります。
知って得するコーナ
経営計画策定とモニタリング
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NA社員コラム
こんにちは、昨年夏に入社しました税理士の林修平と申します。前職では、法人の税務を中心にを7年間業務 をしており、会社合併、会社分割、株式交換、株式 移転等の組織再編を数多く手掛けてきました。M＆A案件で事業譲渡のサポートをした経験 もあります。仕事は断らないことをモットーとして 7年間仕事に全力で取り組んできたため、たく さんの実務経験を積むことができました。そして名古屋総合税理士法人では、資産税 部門を希望し、配属させていただきました。 前職での株価評価や事業承継対策の 経験に加えて相続税の知識が組み合わ されば、お客様に対してより多角的で 有益な提案が出来ると思っております。入社して数ヶ月が過ぎましたが、相続税申告 や相続診断、そして事業承継の案件にも携わる ことができ、大変やりがいを感じております。事業承継等でお会いする機会があると思い ますが、何卒宜しくお願い致します。
今月の代表の一言
新年あけましておめでとうございます。毎年恒例の私のおみくじ結果を気にしている方のために、今年の おみくじ、2年連続1回目で大吉でした！今年もよい1年になりそうです。私が大切にしていることの中に 「プラス受信」というものがあります。これはどんな問題・コトが起きようとも、「これは自分にとって チャンスだ！」と受け取る、ということです。そうすることで、すべての事象を自己成長に繋げることが でき、すべての事象を周りとの信頼関係を深める結果に繋げることができます。これは、まるは食堂の 坂野社長に聞いた話ですが、まるは食堂の創業者うめさんは、お店が泥棒に入られてしまい、普通の人 ならショックを受けるような状況で、「うちはセキュリティーなどを強化する必要があるということを 教えてくれた」と感謝していたそうです。素晴らしいプラス受信、うめさんは素晴らしい人格者ですね。 さて、世の中コロナコロナと耳にタコができるくらい騒がれています。私は、コロナだろうが何だろうが、 すべての事象を「プラス受信」して、名古屋総合税理士法人に関わるすべての人に貢献できる人間に なるべく自己研鑽に励みたいと思います。本年も何卒よろしくお願い申し上げます！