NA通信vol.76「申告納税の特例措置・不動産オーナー様向け情報について」
新型コロナウイルス関連の様々な支援策が国や自治体から大量に公表されています。今回はその中から申告・納税の特例措置と、不動産オーナー様向けの情報、そして今後の家賃保障の給付金の情報をお伝えします。
新型コロナウイルス感染症による納税申告・納付期限の延長について
国税庁による新型コロナウイルス感染症への対応として、個人の方の確定申告の期限が4/16(木)まで延長され、さらに4/17(金)以降であっても感染拡大により外出を控えている等の理由があれば、申告が出来るようになるまでの期間、税務申告と納税を延長できるようになりました。法人税・消費税の申告・納付についても、同様に個別延長が認められます。
事業収入が減少した場合の納税猶予(国税・地方税)の特例
2020年2月以降、事業収入が前年同月比概ね20%以上減少した事業者は、無担保かつ延滞税なしで原則1年間納税が猶予できます。法人税や消費税、固定資産税など、 基本的にすべての税金が対象となります。なお、担保の提供は不要で、通常は発生する猶予期間中の延滞税が全額免除されます。ただし、税金の納期限までに事前申請する必要があります。
こんな方にオススメ!
資金繰りが厳しく、少しでも支払を先延ばしにしたい方は、無担保・無利息(延滞税の免除)なので、申告・納期限の延長制度と納税猶予の特例を両方利用するのがお勧めです。
不動産オーナー様向け、新型コロナウイルス感染症による家賃滞納への対策として家賃の支給について~住居確保給付金(家賃)~
名古屋市では、休業等に伴う収入減少により、離職や廃業に近い状況に陥り、収入がひと月12.1万円程度以下(単身世帯の場合)になり、家賃が支払えないおそれがある個人に対して、原則3か月間、上限37,000 円(単身世帯の場合)が支給される住居確保給付金という制度があります。 不動産賃貸オーナー様は、入居者の滞納や遅延、退去リスクを軽減するためにも、是非知っておきたい情報です。具体的には、入居者の家賃の滞納や生活状況が苦しいという事情がわかった段階で、当該給付金を案内するとよいでしょう。そのためには、家賃入金の細目のチェックと入居者の属性(職業)を確認することをお勧めします。
・対象者:離職・廃業から2年以内または休業等により収入が減少し、離職等と同程度の状況にある個人の入居者
・支給期間:原則3か月(求職活動等を誠実に行っている場合は3か月延長可能 (最長9か月まで))
・支援額:名古屋市の場合、上限額が、単身世帯:37,000円、2人世帯:44,000円、3人世帯以上:48,000円となっています。※実際の家賃額が上限額を上回る場合の差額は自己負担となります。
【仮称】特別家賃支援給付金 ~家賃の3分の2補助~
特別家賃支援給付金(仮称)は、新型コロナウイルスの影響により売上が大幅に減少した中小事業・個人事業主を支援するために、家賃を補助する目的で支給される給付金です。6月中旬頃に予定している第2 次補正予算案として盛り込まれる見込みです。早ければ6月中に受給できる可能性があります。
政府によると、事業者に対する家賃・地代支援案の内容は、中堅中小法人は月額50 万円、個人事業主は月額25万円を補助するというものです。最終的に家賃の3 分の2 の金額(最大50 万円)が最大6ヶ月間、受給できます。給付条件は、売上が前年同月比で50%もしくは、3 ヶ月の売上が平均30%以上減少した場合となる見込みです。
まとめ
新型コロナウイルスにより、納税が困難になった方や、資金繰りが厳しくなっている方は、弊社担当者まで是非ご相談ください。また、不動産オーナー様は入居者さんの中で収入が減少している方を把握し、住居確保給付金(家賃)の情報をご案内して頂き、滞納や遅延をなくすようにしていくといいでしょう。これを機に改めて、ご自身の物件の入居者の属性(職業)を確認し、家賃の入金を細目に確認することをお勧めします。
知って得するコーナ
中止になったイベントチケット
新型コロナウイルスの影響で、東京オリンピックをはじめ、ライブ、スポーツ、演劇といったイベントが軒並み中止や延期となっており、参加者、出演者やイベント業者に多大な影響が出ています。そこで、新たな制度が創設されます。中止等されたイベントのチケット代の払い戻しを放棄した場合は、その放棄した金額分を『寄付』とみなし寄附金控除を受けられます。
控除までの流れ
① 文化庁・スポーツ庁が対象となるイベントを指定します。
② 参加者は対象となるイベント主催者に払戻しを放棄する旨を連絡し、対象イベント認定証明書(仮称)と払戻請求権放棄証明書を入手します。
③ 確定申告の際に、上記2点の証明書とともに申告します。
例えば、 10,000円のチケット代金を払戻さず『寄付』すると、好きなアーティストや応援しているイベントに10,000円寄付をしながら、最大4,000 円(+住民税)の減税が受けられます。
NA社員コラム
みなさまこんにちは。中塚と申します。
4月、弊社では初となる新卒採用の社員が2名入社いたしました。入社式での決意表明を聞き、とてもフレッシュな気持ちになり、ふと自分の目標を振り返る機会がありました。私は、学生時代のスターバックスコーヒーでのアルバイト経験から、『SMART目標』を設定することにこだわっています。
S Specific / 明確な
M Measurable/ 測定可能な
A Achievable / 達成可能な
R Realistic / 現実的な
T Time Sensitive/ 期間に見合った
目標のことです。期間を決めて明確な目標を設定すると、振り返りがしやすく、また、現実的な目標を設定できていると、達成感を感じることが増え、モチベーションが上がります。新型コロナウイルスの影響で、落ち着かない日々が続きますが、こんな時だからこそできることもたくさんあると思います。しっかり前を向いて、乗り越えていきましょう!
今月の代表の一言
コロナ禍にありながらも、少しずつ自粛の緩和がなされつつあります。緩和されるといってもコロナ前に戻ることは難しいでしょう。現在の、そして今後も続く外出自粛・非接触の状況下において、欠かせないものがZoomやGoogleハングアウトなどのオンラインツールです。実際に使ってみると、ビデオ会議方式で相手の顔を見ながら話ができますし、資料なども相手の画面に映し出しながら説明できますので、直接会う必要がないことが実感できます。また、会議などをオンラインで行うと、資料の印刷や配布の必要がありませんし、同時に全員の顔が見えますし、会議の効率自体も上がるように思います。是非、皆さんも使ってみてください。使い方がわからない方、どのオンラインツールを使えばよいかわからない方は、是非弊社の担当者に聞いてください。丁寧に説明させていただきます。また、外出を控えているためオンライン面談を希望される方も、弊社の担当者にお申し付けください。
名古屋総合税理士法人は、6月のセミナーを全てオンライン(Zoom)で開催いたします。セミナーにもぜひご参加ください。新しい時代に対応することで、新型コロナに絶対に負けないようにしましょう!