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ポイント還元制度について

Q そもそもポイントとは?

ポイント還元制度は、以下を目的として実施される経済施策です。

消費税増税による景気冷え込み防止対策
中小企業支援策
キャッシュレス決裁比率の向上

店舗でキャッシュレス決済をした際に、利用したクレジットカード会社などを通じてポイントが還元されます。還元されるポイントは、ポイント発行会社の負担を国が補助する仕組みです。ポイントが還元されるキャッシュレス決済にはクレジットカードの他、電子マネーやQRコードも対象となります。

ポイント還元率については、中小企業5%のポイント還元を検討する考えを2018年11月22日に安倍晋三首相が表明しました。その後、大手系列のチェーン店は(直営店・FC店ともに)一律2%の還元率(2018年12月11日)、実施期間は消費税増税が開始される2019年10月から東京オリンピック開催前までの約9ヵ月間です。

ポイント還元をキャッシュレス決済に限定することで、中小店舗の「キャッシュレス化を促す」狙いもあります。特に東京オリンピックで増加が予想される訪日外国人のキャッシュレス化の需要に対応するのが目的です。なお、ポイント還元の対象は個人消費者だけでなく、企業も対象となります。(事業者の買い物なのかを見分けることが難しいため)
なお、一回の決済で付与されるポイントには上限が設定されます(2019年2月20日)

また、すべての買い物でポイント還元があるわけではありません。消費税がかからないもの等(下記)は除外されます。

・消費税がかからないもの:土地、教育関連のもの(学費など)、医療費(公的医療保険の対象)
・換金性の高いものも:商品券や切手、印紙、プリペイドカードなど (ポイント還元を目的に転売を繰り返す懸念があるため)
・別途減税措置があるもの:住宅や車など
・風俗店・反社会的勢力と関連する事業者

2019年10月から2020年6月までのポイント還元の実施期間中、加盟店が決済事業者に支払う手数料を販売額の3.25%以下にする必要があります。予約販売でも決済日が事業期間内であれば消費者還元の対象となります。

Q どうやって消費者に還元されるの?

国は、消費者に付与されたポイント分をカード会社など決済事業者に支給。消費者へのポイント支給は、決済事業者が行います。消費者がポイントを利用できるのは、2019年10月1日からです。ポイントの有効期限は、既存のポイント制度等の範囲内で、原則として決済事業者が決めます。原則として「税込価格」に対してポイント還元されます。

Q 中小と大手とでは扱いが違うそうだけど、どこがどう違うの?

ポイント還元率について言えば、中小企業は5%、フランチャイズチェーン店は2%、大企業は対象外です。
中小企業対策という政策目的があるため、同じものでもデパートで買うか、コンビニやホームセンターで買うか、町の商店で買うかで還元率が違います。

コンビニなどの大規模チェーン店では、直営店とフランチャイズ店が混在しており、どちらも2%還元です。中小企業基本法上は、小売業なら資本金5,000万円以下または常時使用する従業員の数が50人以下であれば中小企業だが、

ヨドバシカメラ資本金:3000万円   /  ビックカメラ資本金:232億円

紀伊国屋書店資本金:3600万円    /  三洋堂資本金:12億円

↑5%の対象に??

Q レジの機械の入れ替えで、小売店は負担増では?

・キャッシュレス決済に対応するためには、店舗側に導入コストが発生するのか?
・決済端末の購入やクレジットカード会社への手数料が必要になるのか?

中小店舗ではこれらの導入コストの負担が大きいという理由でキャッシュレス決済に対応していないケースが多くみられます。

決済端末の購入補助制度

中小店舗のキャッシュレス化を促進させるために、端末の購入費用の1/3を決済事業者が負担することを条件に残り2/3を国が補助(中小店舗は負担ゼロ)

加盟店手数料(3.25%以下)の1/3を国が補助

Q そもそもクレジットカードを使っていない店はどうなるの?

キャッシュレス決済に対応していない店舗は、ポイント還元制度の対象外です。

Q そもそもクレジットカードを使っていない人はどうなるの?

この制度の対象はキャッシュレス決済に限定されているため、普段現金で買い物をしている人にとってはメリットがありません。特に現金で決済を行う割合が高い高齢者にとっては恩恵を受けにくい施策と言えます。また、この制度においては格差拡大が懸念されます。一つは地域格差。都市部ではキャッシュレス決済に対応している中小店舗も多いが、地方では都市部と比較してキャッシュレス決済に対応している中小店舗が少ないため、地方の消費者が恩恵を受けにくいというデメリット。また、収入格差の問題。クレジットカードを作るには一定の安定した収入が必要なため、クレジットカードが作りにくい低所得者層はこの制度の恩恵を受けにくいといったことが懸念されます。