NA通信vol.69「M&Aを活用した事業承継のすすめ」
今、日本の中小企業の多くが直面する問題が「会社の出口」の問題です。企業が誕生すると、必ず5つの出口のどれかを辿ります。今回は出口戦略におけるM&Aにスポットを当ててご説明します。
M&Aとは
M&Aとは「、Mergers(合併)」and「 Acquisitions(買収)」の略で、直訳すると「合併と買収」という意味です。さらに簡単に言うと、「ビジネスの売買(買収)」、「複数のビジネスを一つに統合(合併)」するための手法です。売り手は、事業承継や資金調達など、自社で育てた会社や社員の存続を目的としてM&Aを戦略的に実行します。一方で、買い手は事業規模を広げる目的や新規事業の実施を目的として、M&A を戦略的に実施するのが一般的です。従来後継者不足により事業承継出来ない場合には、廃業するのが一般的でした。しかし、これまで培ってきたノウハウや技術、従業員の雇用が失われ、取引先にも迷惑をかける廃業は経営者であれば避けたいものです。加えて、日本の経済を支える中小企業が減っていくことは、国としても大きな損失です。日本では2000年代初頭に大手企業同士のM&Aが頻繁に行われたことを皮切りに、M&A の有効性が広く知られるようになりました。
中小企業こそ事業承継でM&Aを有効活用するべき
人材確保が難しい中小企業にとって適切な後継者候補を確保するのは容易ではありません。一般求人誌への掲載や人材紹介会社の利用は人材採用コスト負担が大きいばかりでなく、実際に後継者候補が見つかる可能性は高くありません。また、親族など身近な人材が確保できる場合を除き、いざ後継者の育成を考え始めても会社の経営を任せられる人材がいないという会社が多く、そのまま後継者問題を解決できず廃業(清算)を迎えてしまうケースも少なくありません。
M&A、事業承継をご検討される方は是非ご相談を!
事業承継は一生に一度の重大なイベントです。事業承継に失敗すると、これまで築き上げてきたすべての事業価値を失ってしまいます。それゆえ、事業承継を行う際には、専門家のアドバイスが不可欠です。弊社ではM&A 推進事業部や資産税部など事業承継に特化した部署の担当者が親身に相談に乗らせていただきます。また、事業展開の為のM&A(買いニーズ)をお考えの方も是非弊社担当者までお気軽にご連絡ください。M&A における最新の案件情報を提供させていただきます。
企業のオペレーティングリースが大注目!!
2019年2月、国税庁から節税保険商品にメスが入り、企業の節税に有効な保険商品が軒並み販売停止となりました。そこで、節税保険に代わり今注目を集めているのが「オペレーティングリース」です。オペレーティングリース節税の仕組みを簡単に説明すると航空会社や海運会社に旅客機やコンテナ船をリースする匿名事業組合へ出資を行います。匿名組合はこのリース料が収益となりますが、スタートから数年は航空機等の減価償却費が大きいため赤字となります。この赤字は出資者の持分に応じて「投資損失」として自社の決算書にも反映することができるため、節税に利用できるというわけです。出資するだけで、節税となるオペレーティングリースはとても魅力的ではありますが、注意する点がいくつかあります。
① 出資金は多額な場合が多い(1口1,000 万円~)
② リース期間満了後の分配金は自社の収益になる
③ 出資金は売却( 換金)が難しい場合も多い
④ 商品によっては為替リスクが生じることも
いくつかの注意事項はあるものの、最近ではリース期間が3年と短い商品や為替リスクがない商品も出てきています。自社の決算対策にオペレーティングリースの活用をお考えのお客様は弊社担当者までお気軽にご相談ください。
NA社員コラム
皆さん、こんにちは。デザイン・ブランディング担当の戸澗です。今回は経営を考える視点のひとつとして、デザイン、ブランディングの重要性についてお伝えしたいと思います。例えば。皆さんは、“今までどこで何をしていたか全く分からない相手”と、“これまでの実績や人となりが分かる相手”と、どちらを信頼し、どちらと仕事がしたいと思いますか?多くの人が後者を選ぶと思います。消費者やクライアントに選んでもらうためには、後者のように「いかに自分(自社)の価値を高く感じてもらえるか」が大事であり、ブランディングはそのイメージを創り上げる手法でもあります。しっかりとブランディングが確立され、デザインが活きている企業は集客、販促、PRなどあらゆる面で他社と差をつけることが可能となり、売り上げに大きな効果が出たという事例も多くあります。経営の大きな強みとして、デザインのことを見直してみるのはいかがでしょうか?弊社では、デザイン・ブランディングのご相談も承っております。どうぞお気軽にご相談ください!
今月の代表の一言
9/11中日新聞一面で、弊社の消費税ポイント還元制度への取り組みが取り上げられたように、世間の関心は急速に消費税増税について向けられています。しかし、中小企業の消費税増税対応は遅れに遅れている状況で、ポイント還元制度の申込申請数は、9/6時点でおよそ59万件と、対象となる中小企業の4分の1程度にとどまっています。しかも、すでに申請した企業も、書類不備や駆け込み申請による業務集中により、10/1(制度開始日)までに審査が間に合う企業は、さらに少なくなります。また、軽減税率に対応したレジ導入に伴う補助金申請数も月末時点で想定の4割強とこちらも、中小企業の対応に遅れが出ています。消費税増税と軽減税率のスタートが目前に迫っています。各種制度、補助金、会計処理についてご不安やご不明点がある場合は、早目に名古屋総合税理士法人までご質問ください。