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話題のドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」で学ぶ|信頼できる税理士の見極め方

2019年に刊行された早見和真氏の長編小説「ザ・ロイヤルファミリー」が、2025年10月期の日曜劇場としてドラマ化されました。物語は、競馬を通じて家族の絆や夢の継承を描くヒューマンドラマです。

主人公の栗須栄治(妻夫木聡)は、大手税理士法人でのキャリアを優先し、挫折と後悔を抱えたまま税理士である尊敬する父を亡くします。そんな彼が、人材派遣会社ロイヤルヒューマン社の社長である山王耕造(佐藤浩市)と出会い、数字だけでは測れない「人の情熱」や「夢を支える責任」に触れていく姿が描かれています。

この作品では、税理士という職業について、数字を扱うだけの専門家ではなく、人と企業の未来を支える存在として描いています。まさに、現実のビジネス現場においても、信頼できる税理士を選ぶことは、企業の成長と安定に欠かせない要素です。

本記事では、ドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」の描写をもとに、信頼できる税理士の見極め方を解説します。税理士の力を最大限に活用する方法も紹介するのでぜひ参考にしてください。

目次

ドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」第1話の税理士像から見る変化
信頼できる税理士の見分け方|ドラマから学ぶ3つのポイント
税理士の専門性を経営に活かす3つの方法
まとめ

ドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」第1話の税理士像から見る変化

主人公の栗須栄治は、大手税理士法人で働くエリート税理士。彼に与えられた任務は、人材派遣会社ロイヤルヒューマン社が手がける「競馬事業部」の実態調査です。競馬事業部は、社長の山王耕造が「夢のある事業だ」と情熱を注ぐ一方、収益は上がらず厳しい状況が続いていました。経営判断を迫られる中、息子で人事統括部長の優太郎(小泉孝太郎)は、使い込みの疑いを理由に事業の撤廃を狙っていたのです。

栗須は当初、数字と帳簿だけを中心に事業を精査する典型的な税理士として調査を進めていました。損失の大きさから撤退もやむなしと判断しかけますが、事業撤退によって馬たちの行き場が失われ、命に関わる事態を招く可能性があると知ります。現場で懸命に働く人々の姿や、競走馬への深い愛情に触れるうちに、損益や帳簿の整合性だけでは測れない「人の想い」があることに気づき、栗須は税理士としての向き合い方を静かに見つめ直していきます。

ここでは、ドラマの描写を踏まえながら、昔と現代の求められる税理士像の違いを紹介します。

昔の税理士像:数字だけを扱う専門家

かつての税理士は、決算書や申告書を正確に作成する「税の専門家」としての役割が中心でした。数字の正確性を担保することで、経営者が安心して本業に専念できる環境を整えていたのです。

なお、税理士制度は、1942年に施行された「税務代理士法」に始まります。当時の日本は戦時下にあり、国家として税収の確保が強く求められていました。こうした中、納税者の申告や手続きを専門的に支援する役割として「税務代理士」が設けられたのです。戦後も申告納税制度の導入に伴い、税務代理士は納税者の代理としての役割を拡大し、やがて1951年の税理士法制定により、税理士としての地位が確立されました。

現代の税理士像:物語に寄り添う専門家

現代の税理士は、帳簿や数字の正確性だけでなく、経営者や関係者の想い、企業の背景までを理解し、最適な判断を導く力が求められます。

ドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」第1話では、栗須が赤字事業の調査を通して、横領の実態を正確に把握するとともに、経営者の夢や事業に携わる人の想いを守る判断を下します。その姿は、数字だけを追うのではなく、「人や組織の未来」に目を向ける税理士の新しい在り方を象徴しています。

経営者にとっても、税理士は単なる税務の専門家ではなく、信頼できる経営パートナーです。複雑化する税制改正や法令対応だけでなく、事業承継・資金調達・経営計画策定など、企業の未来を共に描く存在へと役割は広がっています。家族間の感情が交錯する相続、代々続く会社の承継など、数字だけでは割り切れない課題に直面したときこそ、依頼者の想いに寄り添い「最も後悔のない選択」を導く力が問われます。

昔ながらの確かな専門性を土台に、現代の税理士は数字だけでなく企業の意思や課題に寄り添い、経営者の判断を支える存在へと進化しています。経営者とともに悩み、未来を描く伴走型のサポートこそが、これからの時代に信頼される税理士像といえるでしょう。

信頼できる税理士の見分け方|ドラマから学ぶ3つのポイント

ドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」で栗須栄治の行動を見ると、信頼できる税理士には以下のように共通する3つの特徴が浮かび上がります。

1. 公正な判断力
2. 未知分野への柔軟な対応力
3. 顧客の人生を尊重する専門外領域の対応力

それぞれを詳しく見ていきましょう。

公正な判断力

栗須は、依頼主の圧力や事務所の意向に流されず事実と向き合い、公正な判断を下しました。

中小企業の経営現場では、資金繰りや雇用維持など、日々の判断が企業の存続に直結します。その中で、「できるだけ税負担を減らしたい」と考えるのは自然なことです。しかし、無理な節税策や実態の伴わない処理は、短期的な利益を守れても、後に税務調査や信用低下を招くリスクがあります。

信頼できる税理士は、経営者の気持ちに寄り添いつつも、リスクを正直に伝え、時には「避けるべき」と明言してくれます。耳が痛い指摘でも、会社の将来を見据えて冷静に判断できる税理士こそ、経営のパートナーとしてふさわしい存在と言えるでしょう。

未知分野への柔軟な対応力

経営の現場では、常に想定外の出来事が起こります。新規事業の立ち上げや異業種との取引、補助金の活用など、初めて経験する領域に踏み込むケースも少なくありません。

栗須は、競馬事業という特殊な業界においても、形式だけでなく現場の実態を理解したうえで最適な判断を下しました。同じように、税理士には業界特有の商習慣や会計処理を的確に把握し、法律と実務の両面から最善の方法を導き出す力が求められます。

そのためには、常に最新の税制改正や判例を学び続ける姿勢が欠かせません。知識の蓄積は、単なる節税テクニックのためではなく、顧客企業の発展と社会的責任の両立を支えるためにこそ活かされるべきです。未知の分野にも臆せず踏み込み、変化をチャンスに変えられる税理士こそ、時代の転換期を生き抜く中小企業にとって、真に価値あるパートナーとなります。

顧客の人生を尊重する専門外領域の対応力

栗須は、数字だけでなく、競走馬や関係者の思いにまで目を向けました。同様に、税理士も単なる申告の代行者ではなく、経営者や会社の将来に寄り添うパートナーであることが求められます。

例えば、事業承継の相談では、税金の最適化だけでなく、家族間の想いや従業員の安定、会社の理念を踏まえた提案が必要です。また、資金繰りや新規事業、地域との関わりといった専門外の課題にも配慮できることが、経営者にとっての安心につながります。このように、顧客の人生や会社の将来を尊重した視点でアドバイスできる税理士こそ、中小企業にとって信頼できる存在と言えるでしょう。

名古屋総合税理士法人は、経営税務相続など、あらゆる課題に対してお客様の未来を見据えた最適な解決策を提案します。一歩先を見越したサポートをお求めの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

税理士の専門性を経営に活かす3つの方法

税理士は単なる「数字の専門家」ではなく、経営の現状を可視化し、意思決定を後押しする参謀役として活用できる存在です。経営者が抱える課題や将来のビジョンに応じて税理士の専門性を最大限に活かすことで、事業の成長や意思決定の精度を大きく高められるでしょう。

しかし、税理士にも得意分野や実務経験に差があるため、依頼先によって成果に大きな差が生まれるのも事実です。なぜなら、所得税・法人税・相続税・消費税など税目ごとの知識はもちろん、業種や取引形態によって求められる会計処理や判断も変わるからです。

例えば、同じ法人税でも、一般企業・公益法人・医療法人ではルールや着目点が大きく異なります。また、税務署出身者は税務調査や申告指導に強く、公認会計士出身者は法人決算や会計制度に精通。大学院で研究を重ねた税理士は理論や法解釈に深く、弁護士資格を持つ税理士なら税務争訟や法律面のサポートを得意とするケースもあります。

そのため、税理士の専門性を経営に活かすには、自社の課題や目的に応じて最適な依頼先を選ぶことが重要です。

定期的な打ち合わせで経営課題を共有する

税理士と、定期的な打ち合わせを通じて経営課題を共有しましょう。月次や四半期ごとの会議で、業績の進捗や資金繰り、投資計画の状況を整理することで、経営者は現状を正確に把握できます。また、会議を「考える場」として活用すれば、目標設定やKPI(重要業績評価指標)の見直し、戦略の修正も効率的に行えます。

さらに、課題や問題を早期に把握できるため、迅速な意思決定が可能になり、経営の安定性が向上します。目標や期待値を共有し、フィードバックを受けるサイクルを継続することで、戦略の実行力が高まり、経営パートナーとして税理士の力を最大限に活かせるでしょう。

補助金や優遇税制の情報を経営戦略に取り入れる

近年、中小企業を支援する以下のような補助金が次々とスタートしています。

✓ 中小企業デジタル化・DX支援補助金
✓ 中小企業省力化投資補助金
✓ 中小企業新事業進出補助金
✓ IT導入補助金
✓ 事業承継・M&A補助金 など
※2025.10月時点

業種や成長段階に応じて活用すれば、設備投資や人材育成、事業承継などを実質的なコスト負担を抑えながら実現できるでしょう。

さらに、補助金と並行して優遇税制を活用すれば、投資効果をより高めることが可能です。例えば、中小企業省力化投資補助金と中小企業経営強化税制を利用すれば、機械装置などへの投資に対して特別償却もしくは最大10%の税額控除が認められる可能性があります。これにより「キャッシュインの拡大」と「キャッシュアウトの削減」を同時に実現でき、投資効果を最大化できます。

ただし、補助金の申請には、3〜5年先を見据えた経営計画の提出が求められるのが一般的です。税理士を活用することで、売上や利益の見通しを数値化し、根拠を整理するだけでなく、同業他社のデータや実例を踏まえた実現性の高い計画づくりを進められます。制度を単発で終わらせず、経営戦略全体の中に位置づけて活用することで、企業の成長を持続的に支える財務基盤を築けるでしょう。

なお、補助金と税制の併用が制限されるケースもあるため、申請前に税理士へ確認することが大切です。また、本記事の内容は2025年10月時点の情報です。補助金の募集期間や制度内容は随時変更されるため、実際に申請する際は、最新の公募要領や自治体の公式サイトを必ずご確認ください。

資金調達や融資で会社の強みを引き出す

資金調達は税理士に限らず、経営コンサルタントや日本政策金融公庫、商工会議所などでも相談可能です。しかし、税理士を活用することで、資金調達の方法選定から書類作成、面談のアドバイスまで、一貫したサポートを受けられます。加えて、税務リスクの管理や返済計画の立案にも精通しているため、計画的で無理のない資金調達が実現できます。

さらに、認定経営革新等支援機関(認定支援機関)であれば、以下のメリットも得られます。

✓ 金融機関での優遇金利や保証料の減額
✓ 日本政策金融公庫の融資利用
✓ 補助金申請の支援
✓ 経営改善計画策定費用の補助
✓ 税制優遇制度の活用 など

認定経営革新等支援機関である税理士のサポートにより、資金調達や融資のプロセスがスムーズになるだけでなく、会社の強みを最大限に引き出し、経営判断の精度を高められるでしょう。

なお、名古屋総合税理士法人は経営革新等支援機関の認定を受けた税理士法人です。金融機関出身者の知見や中部地区の豊富なネットワークを活用し、最適な融資条件や低金利、長期返済など有利な資金調達の実現をサポートしています。補助金申請資金調達に関するお悩みがある方は、お気軽にご相談ください。

まとめ

現代の中小企業にとって、税理士は単なる会計担当者ではなく、経営の伴走者です。数字の正確性だけでなく、経営者の意思や企業の状況に寄り添い、資金戦略や投資判断、組織運営の意思決定を支える役割を果たします。

特に愛知県では、熱意ある経営者が多く、スタートアップから地域に根差した老舗企業まで、多様な可能性を持つ企業が多く存在します。税理士を経営戦略の参謀として活用することで、企業の未来に向けた具体的な一歩を踏み出せるでしょう。